地政学リスクとは

地政学リスクとは 地政学

地政学リスクとは何か?
地政学と地政学リスクは違うのでしょうか?また地政学にはどんなリスクがあるのでしょうか?
ここでは具体的事例をあげてお伝えいたします。
具体的な事例については「地政学リスクにはどんな種類があるのか」の章で参考にしたサイトの情報をまとめております。
情報が多いため、読み解くのに時間がかかるかもしれませんが、これを機会に地政学リスクについて関心を持っていいただけると幸いです。

地政学リスクとは

地政学リスクとは、国際政治や地域の政治的状況の変化によって発生するリスクです。
これには、戦争、テロ、政治的不安定、貿易紛争、経済制裁などが含まれます。
地政学リスクは、投資、貿易、ビジネス運営、国際関係に大きな影響を及ぼす可能性があります。

例えば、特定の国で政治的緊張が高まると、その国とビジネスを行う企業やその国に投資している企業は、損失を被るリスクが高まります。
現在の地政学リスクはこれまでのリスクとことなり、多様に渡るリスクが発生する可能性があります。

地政学とは – 日本で有事に備える情報サイト

地政学リスクにはどんな種類があるのか

地政学のリスクについては、時代背景により変化し続けます。
ここではS&P(Standard & Poor’s)という、米国の格付け会社とKrollという米国のリスク管理専門のコンサルティング会社が地政学リスクについて制作されたコンテンツを出典とし箇条書きでお伝えいたします。

gold and silver desk globe

S&P社が考える地政学リスク
出典:Top Geopolitical Risks of 2023 | S&P Global

  1. 政治的リスク: 政治的決定、不安定性、または紛争が経済や社会状況に与える影響の可能性。例えば、政府政策の変更、内乱、腐敗などがこれに該当します。
  2. 経済的リスク: 経済・産業政策、貿易紛争、財政不安定性などがグローバル経済に与える影響。通貨変動、インフレーション、貿易戦争、制裁などが含まれます。
    地政学の経済的リスクとは – 日本で有事に備える情報サイト
  3. 環境的リスク: 自然災害、気候変動、資源不足が経済や社会状況に与える影響。
  4. 規制的リスク: 企業が異なる国で事業を行う際の規制枠組みや法律体系の変更。税法、労働規制、環境基準の変更などがこれに含まれます。
  5. サイバーリスク: サイバー攻撃、データ侵害、その他のサイバー犯罪の影響。ランサムウェア攻撃、ハッキング、知的財産盗難などが例です。
  6. セキュリティリスク: 国境を越えた紛争や国際的な意味を持つ国内紛争(スーダン、ハイチなど)。
  7. 資源競争: 食糧安全保障、エネルギー安全保障、重要鉱物資源の競争。

これらのリスク単独で発生するものではなく、お互いのリスクが関連し、しばしば重なり合っています。
例えば、ロシアとNATO間の緊張は、サイバー攻撃、米中戦略競争、反グローバリゼーション/脱グローバリゼーションの考慮、気候リスク、エネルギー安全保障、COVID-19パンデミックの影響などが含まれています。

過去の地政学では、単に国の広さや接する環境だけにとどまっていましたが、今は経済・環境・資源からITに関わるサイバーリスクまで要素が複雑になってきています。

aerial photography of city buildings

次に、Krollが考える地政学リスク
出典:10 of the Biggest Geopolitical Risks by Likelihood and Impact | Kroll

  1. ロシアによるヨーロッパへのガス供給停止: 高い可能性と高い影響が予想されます。ロシアがヨーロッパへのガス供給を停止すると、ユーロ圏はすぐに不況に陥る可能性があります。
  2. 米国におけるエネルギー価格の高騰: 高い可能性と中程度の影響が予想されます。エネルギー価格の高騰は、米国のインフレと経済に影響を与える可能性があります。
  3. 食糧不安危機: 高い可能性と高い影響が予想されます。ウクライナとロシアは世界の小麦輸出の30%を占めており、これらの国々での生産や輸出の問題は世界的な食糧危機を引き起こす可能性があります。
  4. アジアの領土紛争の激化: 低い可能性ですが、非常に高い影響が予想されます。特に台湾の戦略的重要性が高まっている中で、米中間の緊張が高まる可能性があります。
  5. 中国のゼロCOVID政策: 高い可能性(10月以降は低下する可能性あり)と高い影響が予想されます。中国の厳格なCOVID対策は、世界的なサプライチェーンに影響を与える可能性があります。
  6. 暗号通貨/新しい金融商品に対する強化された規制: 高い可能性と中程度の影響が予想されます。暗号通貨市場の規制強化は、投資家や市場に影響を与える可能性があります。
  7. 主権債務危機: 高い可能性ですが、影響は低いと予想されます。新興市場の経済が不況に陥る可能性がありますが、西側諸国への経済的影響は限定的である可能性があります。
  8. ユーロ圏の崩壊とイタリアの投資家ストライキ: 非常に低い可能性ですが、非常に高い影響が予想されます。イタリアの政治的・経済的不安定性がユーロ圏全体に影響を与える可能性があります。
  9. グローバル化の後退: 中程度の可能性と高い影響が予想されます。グローバル化の後退は、インフレ圧力を増加させ、世界経済に影響を与える可能性があります。
  10. 米ドルの準備通貨地位の喪失: 低い可能性ですが、高い影響が予想されます。米ドルが世界の準備通貨としての地位を失うと、米国経済に大きな影響を与える可能性があります。

Krollが懸念している地政学リスクはより具体的に、国別で伝えています。
日本にいると、ウクライナや台湾ぐらいしかわからない地政学リスクもリスク管理専門会社が伝えるともっとグローバルな項目へと広がりを見せています。

地政学リスクの対策について

地政学リスクに対処するための対策は、リスクの種類に応じて異なりますが、一般的なアプローチにはいくつかの共通点があるとのことです。

エネルギー供給のリスクを例にあげると、
ロシアによるヨーロッパへのガス供給停止の場合、エネルギー源の多様化や再生可能エネルギーへの投資が重要となります。
食糧不安に対しては、食糧生産の地域的多様化や国際的な食糧援助の強化が効果的となり、領土紛争で緊張が高まる場合、多国間外交による平和的解決と安全保障の強化が必要となります。

これらの対策は、地政学リスクに対応するための基本的なガイドラインを提供し、政府や企業がこれらのリスクを管理し、緩和するための戦略を策定する必要がありますね。

地政学の必要性 – 日本で有事に備える情報サイト

地政学リスクについてまとめ

このブログでは、地政学リスクとは何か、そしてその種類についてお伝えいたしました。

地政学リスクは、国際政治や地域の政治的状況の変化によって生じるリスクで、戦争、テロ、政治的不安定、貿易紛争、経済制裁などが含まれることがわかりました。
これらのリスクは、投資、貿易、ビジネス運営、国際関係に大きな影響を及ぼす可能性があり、企業や投資家にとって重要な考慮事項です。

より詳しい分析について、S&P GlobalとKrollが提供する地政学リスクの具体例を元にお伝えいたしました。
実際地政学リスクについては発生してみないとわかりませんが、皆さんの参考になれば幸いです。
(まとまりがなく申し訳ありません)

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