地政学とサイバーリスクについて
地政学とサイバーリスクは密接に関連しています。このブログでは、国家間の緊張がサイバー攻撃にどのように影響するか、インフラストラクチャへの脅威、情報戦争などをカンタンにまとめます。
地政学とサイバーリスクについて
地政学が地理と政治を合わせた学問で、地理という物理的なものに対して政治の影響を学ぶものです。
サイバーには地形が存在しないため地政学と関係あるのかと疑ってしまいました。
しかし次のような事実がでてきました。
ロシアによるウクライナ侵攻では、ロシアに経済制裁を科した国などへのサイバー諜報活動が活発に行われている事実が浮き彫りになりました
地政学リスクが映すサイバーインテリジェンスの重要性 | PwC Japanグループ –
元々地政学のリスクから発生した戦争が、サイバーにまで影響を受けているということから地政学とサイバーリスクが無関係とは言えなくなってきました。
ここでは地政学とサイバーリスクについてについてお伝えいたします。
考えられる地政学上のサイバーリスク
地政学の視点で考えられるサイバーリスクをあげてみました。
国家間の緊張とサイバー攻撃
上の章にあるロシア・ウクライナ問題が事例となっていますが、地政学的な緊張が高まると、国家が他国に対してサイバー攻撃を行う可能性が高まります。
これは、伝統的な軍事力の展示や直接的な衝突を避けつつ、敵対国に対して影響を及ぼす手段として利用されます。
日本でも終戦記念日が近づくと霞が関のあるサーバーが攻撃されることがありました。
サイバー攻撃を行いサイトをハッキングまたは落としてしまうと国民の生活に影響がでてきます。
インフラストラクチャへの脅威:
サイバー攻撃は、電力網、通信システム、金融システムなど、国の基本的なインフラに対しても行われることがあります。
上のサイバー攻撃と同じく対象が電力会社・通信会社・金融システムへと移ると、直接国民の生活や経済活動に損害がでます。
目的インフラへでなはく地政学的。地政学で勝利するため、敵対国の社会や経済に混乱を引き起こすことが可能になります。
情報戦争
サイバースペースは、情報を操作し、公共の意見を形成するための戦場となっています。偽情報やプロパガンダを拡散することで、国内外の政治的な意見に影響を与えることができます。
フェイクニュースで選挙を混乱させたり、政権情勢を混乱させることが可能です。
2010年代には東欧にフェイクニュース工場があるという噂も…
半導体
これはサイバーではありませんが、サイバーの基本となる半導体。
半導体の精算国として台湾は圧倒的な力を持っています。地政学により中国が台湾を占領(台湾有事)が行われたら、世界の半導体は中国のものとなってしまいます。
地政学のサイバーリスクの根っこにあたる部分です。
半導体のリスクについてはPwCのコンテンテンツに詳しく書かれています。
地政学上のサイバーリスク対策
地政学上のサイバーリスク対策は複雑です。
複雑な理由は、サイバーリスクであるITがすべての産業を横串でつなげているため、ありとあらゆる対策が必要になるからです。
その上で、まずは半導体のリスクをなくすこと、これは台湾の半導体メーカが他国に工場をつくり生産拠点を分散することです。すでに日本でも半導体工場建築がすすんでいます。
日本で大切なのがセキュリティ対策。
サーバーはライフラインレベルでのセキュリティ対策。これは個人の領域をでており複雑ですので、代用的な文章を引用いたします。
1つはインテリジェンスを磨くことです。国内の半導体産業を取り巻く環境の変化とともに、サイバー犯罪者集団やランサムウェアなどのサイバー脅威の変化を、常に把握する体制を整えることが欠かせません。インテリジェンスを基にセキュリティ投資や対策実行の時期や規模、将来の計画をつくり、更新し続けることへの重要性が増しています。
地政学リスクが映すサイバーインテリジェンスの重要性 | PwC Japanグループ
サーバーリスクは目に見えないモノのため、なかなか理解しづらい内容ですが、国民が気が付かないところで、たとえばSNS、たとえばウェブサイトなどに脅威が迫っているということです。
地政学とサイバーリスクは関係している
以上、このブログでは地政学とサイバーリスクの関連性が明らかになりました。
国家間が有事などで緊張が高まると、サイバー攻撃のリスクが増加すること、インフラストラクチャへの脅威が現実の問題として存在することをお伝えできたかと思います。
情報戦争の側面では、フェイクニュースやプロパガンダの拡散が政治的な意見に影響を与えたり、半導体の地政学的リスクについても触れられ、台湾の重要性や中国の影響力もお伝えしました。
このブログを通じて、地政学的な視点からサイバーリスクを理解していただければと思います。